建築現場監督のススメ

ゼネコン建築現場監督が日々の思うところを書き連ねていきます。

施工管理職を目指す大学生へ ー大手ゼネコンへ入社するべき2つの理由①ー

大学3年生が施工管理職を目指すのであれば、

できるだけ大手ゼネコンに入社を目指してほしいと思う。

 

学生がスーパーゼネコンを目指すべき理由を具体的にあげてみる。

  1. 現場監督以外の道がしっかり用意されている
  2. 業務が同じなのに給料が断トツに良い

今回は①に関して述べてみようと思う。

 

  1. 現場監督以外の道がしっかり用意されている

 

施工管理職で入社をした場合、

大学生たちが簡単に想像するのはいわゆる【現場監督】だと思う。

それは大きくは間違っていないし、多くのゼネコンにおいて施工管理 = 現場監督であろう。

 

現場監督として採用されると、

毎日自分の配属になった現場に朝早くから夜遅くまで働くこととなる。

この点においては、大手でも中小でも状況は大きく変わらない。

 

しかし、いざ自分が働いてみて、

「あれ、なんだかつらい」とか

「自分に合ってないんじゃないか」と感じる部分が出てくると思う。

 

それはある種当たり前である。

何もわからない世界に飛び込むのだから、

何も不安もなく、現場監督を続けられる人は稀だ。

みんな大なり小なり悩みを抱えながら働いている。

現場が楽しい!やりがいがある!と感じられる人はそれで良いし、

将来所長となって現場を切り盛りしていくのはそういう人材が多数である。

 

だが、人には向き不向きというのが必ずある。

こればかり実際に働いてみるまではわからないのが実情だ。

特に大学生の時点ではわかるわけがないと個人的には思っている。

さらに現場監督という職種だけでなく、

会社の社風やそれぞれの支店、上司、配属された現場によっても大きく自分の感情は変化する。

そのため、実際に働いてみて、もう辞めたい!と思ったとき、

大手にいるのと、中小や地方ゼネコンにいるのでは全く状況が変わってくるのである。

 

施工管理職の社員がやるべきしごとはたくさんある。

入手前の検討、精算をおこなう見積部

実際の施工計画を建てる生産計画部

資材を発注する工務、調達部

現場の図面を描く施工図部門

それらをフォローする建築の管理部門

またいわゆる皿カンである品質監理部門

 

これらの部署にはすべて、施工管理職で入社した人が多く在籍している。

自分の適正が現場監督に無かった場合、

それらの部署に移動することが可能である。

会社内にいくつも選択肢があるというのは恵まれていると考えられないだろうか。

 

大手であればあるほど、部署も多くなり、

失礼な話だが、余剰な人材を抱えてられる体力もある。

支店や他部署に移ることが比較的融通が効くのが大手の会社なのだ。

 

もちろん現場での経験が不可欠な部署がほとんどではあるが、

他部署で働くことにより、経験も積めるし、

自分の人生を考え直せるチャンスが与えられると思う。

つらい、向いてないと思う原因が上司や現場の環境であるなら、異動することの効果は抜群だ。

環境が少し変わるだけで、同じ会社なのに、まったく世界が変わって見える。

そしてまた現場をやりたいと思えば、現場に出てみればいいのである。

 

 

さらに、会社としては積極的に辞めてほしいとは思っていない。

なぜなら社員を採用するには多くのコストがかかっているからだ。

それを1,2年やそこらで退職されるのは会社としては痛手なのである。

そのため、現場が駄目だから、クビだ!やめろ!などいう会社はほとんどない。

(もちろん上司が悪ければ実際に言われることもあり得るが、

会社としての本心はそこではない。ただの個人的感情である。)

 

部署が変わった場合、まわりから色々言われることも多いだろう。

私の経験上、ある特定の上司が嫌になって、半分心が病みかけて、

他部署へ異動させてもらった経験がある。

そこでは新しい業務がたくさんあったし、見慣れないことも多かったが、

自分なりに精一杯業務に取り組んだし、社内の人脈も広がった。

 

私の場合はやはり現場が良いということで、半年後違う現場に異動したが、

自分の咲くべき場所で花を咲かせればいいと思う。

それくらいの度量が大手にはある。

 

施工管理はもちろん現場監督が基本。

だけどそれ以外にもいろんな選択肢があるんだということを頭の片隅に置いておいてほしい。

せっかく建設業で働いてみたいと感じて入社したのなら、

違う職種や環境が用意されている、大手ゼネコンへの入社を目指してみてはいかがだろうか。