建築現場監督のススメ

ゼネコン建築現場監督が日々の思うところを書き連ねていきます。

施工管理職を目指す大学生へ ー大手ゼネコンへ入社するべき2つの理由②ー

大学3年生が施工管理職を目指すのであれば、

できるだけ大手ゼネコンに入社を目指してほしいと思っている。

 

学生がスーパーゼネコンを目指すべき理由を個人的にあげてみる。

  1. 現場監督以外の道が用意されている
  2. 業務が同じなのに給料、待遇が全く違う

 

今回は②に関して述べてみようと思う。

 

就職を目指すからには業界給与ランキングを見たことがある人が多いと思う。

その中で現在、建設業界自体が好景気であるため、給与水準はどんどん上がっているものの、

中堅ゼネコンと大手ゼネコンでは給与差はまだまだ大きい。

 

40代で平均年収が1000万円を超える大手と

800万円代の準ゼネコンでは約200万円近く給与の差が見て取れる。

 

もちろん会社によっても福利厚生も違うし、

待遇の違いはあるが、仕事の面においてやることの差はない。

 

建物を建てるという行為は、基礎を作って柱、壁、屋根をつくる。

簡単に言えばこれだけである。

いろんな技術や工法はあるが、大きな手順は変わらない。

突如地上5階から建物を造ることなんてできないし、

屋根を作ってから基礎を造るなんてありえない。

建設業とは非常にローテクな世界なのである。

 

そんな中、われわれ施工管理職、いわゆる現場監督の能力に大きな差があるかというと

大手だろうが、中堅だろうが大差はない。

朝はやくから現場に出て、夜遅くまで働く。

この働き方も大手でも中堅でも変わらない。

 

では何が違うのか。

給与だ。

昔であれば、残業がやった分だけつけられた(いわゆる青天井)という時代があったらしい。

月に200時間つけることも可能だった時代があるようだ。

現状はそれは不可能である。

さらに、働き方改革が叫ばれる中、勤怠管理は非常に厳しくなってきている。

だが、それでも大手では法律を守っている範囲であれば60-80時間程度の残業はつけられる。

実際の残業時間が120―150という人も多いが、

それでも法律内の80時間までつけることは可能なのだ。

しかし、これが下の方のゼネコンに行くと状況が違う。

まず、残業時間が20時間しかつけられないなど、ザラにある。

実際の残業時間は120-150であっても、

MAXで認められるのが20時間だというのだ。

一部上場企業がそうなのだ。

地元ゼネコンにいけばそれがどうなるかは、想像に難しくないだろう。

 

こんなことがあっていいのだろうか。

しかし、まだまだこんな現状がまかりとおっているのだ。

もちろんすべての会社とは言わないが、

実際にそういった企業があるということは覚えておいてほしい。

入社してから知るのでは遅いのだ。

 

同じ仕事をして、同じ時間を働いた結果、

残業も認められず、給与だって少ない。

そんなことは私には耐えられない。

どうせなら大手に入って、環境が整っているところで仕事をしたほうが、

私はいいと思う。

 

よく地元ゼネコンから中堅へ入り、そして大手ゼネコンへとステップアップした人の話を

ウェブ上で見たりすることがあると思う。

そんな人は極々稀だ。

その人達は非常に優秀だし、大変な努力をしたのだと思う。

技術もあるし、能力も高い。素晴らしい技術者だ。

 

しかし、わざわざその道を歩む必要性はない

可能であるなら、まだ何色にも染まっていない状態で

新卒のカードを駆使して入社をするならば、大手ゼネコンをオススメする。

家庭の事情で転勤が不可能だとか、そういった理由がないかぎり、

地元ゼネコンへの就職はオススメしない。

 

技術者として自分の力を高められる等の話ではなく、

今回はあくまでお金の話をさせてもらった。

自分が生きて、家族が生活していくために、何を優先とするのか。

もし施工管理職を目指すなら大手に入ることで

大きなデメリットはないと思う。