建築現場監督のススメ

ゼネコン建築現場監督が日々の思うところを書き連ねていきます。

一級建築士の価値

年の瀬、まだまだ現場を追い込んで働きます。

こんちにはMisakiです。

今日は一級建築士の価値について考えてみます。 

 

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一級建築士は必要なのかどうか

これは人それぞれ立場によって違いますが、

建設業に携わる人なら持っておいて損をすることだけはないと思います。

 

本質的にデザインを行う、意匠、構造、設備設計者は資格が必要です

CADオペや社内で無資格で図面を描く人はたくさんいますが、それは設計行為ではありません。

自分の力で作り上げる、もしくは施主との合意形成の場にでる必要がある人は必ず資格が必要です。

 

なぜ必要なのか。

法律で設計できる規模や内容が決まっているからです。

また申請業務や監理業務に携わることができません。

改めて言うまでもありませんが、意匠設計だけでなく、面積や階数で規定があります。

これは構造設計、設備設計も同様です。

それぞれの専門の資格がなくては設計行為自体ができないのです。

 

資格がなくたって上記と同様のことは、社内では、可能です

しかし、表立って名前が出ることはまずありません。

逆にいうと責任を持つこともありません。

自分で設計をした、というためには、まず資格が必要なことを理解する必要があるでしょう。

同じ行為をしていても、本当の中身というのは、、、という話です。

能力云々の話ではありません。

資格がなくたって十分に活躍されている方もいます。

あくまで、設計をする、監理をすることはできないよ、という話です。

 

よって設計者には必ず資格が必要だと考えます。

 

■現場監督に一級建築士は必要なのかどうか

必要な場合とそうでない場合があります。

現場の常駐する代理人一級建築士保有している資格者を求めるケースがあります。

その場合は必ず資格を持っていることが必要です。

しかし、多くの現場では一級施工管理技士を持っていれば問題ありません

現場代理人、もしくは監理技術者になるのであれば、施工管理技士でよいです。

 

■現場監督が一級建築士を持っていると何がよいか

施主からの信頼度が違います。

施主の多くは建築の素人であることが多いです。

そのとき、一般的に名のしれた一級建築士という資格を保有しているだけで、

プラスになることはありさえすれ、評価がマイナスになるということはないでしょう。

 

本人の資質が一番大事なのはもちろんですが、

資格を保有しているということは、それなりの仕事での活躍が期待されます。

 

これは一般社会や他の業界でも同様です。

 

看護師、薬剤師、公認会計士、弁護士、、、様々な国家資格がありますが、

それを持っているだけで人間誰しも、一目置きませんか?

友人にその資格保有者がいたら、相談したりしませんか?

自分のことを、自分の会社のことを任せる上で、

同じ能力があります!という二人がいて、どっちを選びますか?

まったく同じ能力です。経験も何もかもが一緒です。

 

そういうときはよほどの信頼関係や何かが無い限り、わざわざ無資格者を指名しませんよね

つまりはそういうことです。

 

資格があるだけで信用度が上がるのは間違いありません。

 

■給与はどうか

これは持っているからといって直結すると考えないほうがいいでしょう。

特に一級建築士はそうです。

アトリエ設計者なんて薄給がザラです。

手取り20万切っているなんて30代でも多くいます。

資格があるからというのは関係ありません。

 

ただし、サラリーマン、転職活動などする場合は

資格を保有していることで優遇されることもあるでしょう。

社内に数名しかいないとか、そういう場合は特に重宝される可能性があります。

 

■大手ゼネコンにいると一級建築士ってどうなのか

いわゆる大手ゼネコン、組織設計でもきっと同じだと思いますが、

社内に2000人一級建築士を抱えたりしているわけです。

持っていたからって、そんなのを鼻にかける人を見たことがありません。

 

言っておきますが、持ってて当たり前です。

ひどい言い方をするならやっと人間としてみなされる程度です。

資格を持っていないなんてよっぽど本人に問題があるのだろうなぁとさえみなされます。

周りの人がびっくりするレベルです。

 

「え、あの人一級建築士もってないの・・・?(ヒソヒソ)」

 

それくらい当たり前にみんなが取得しています。

だから給与で差がつくこともほぼありません。

ですから予備校に2,300万円かけたところで、その見返りがあるかはわかりません。

 

しかし、持っているのが当たり前なので、一級建築士でないとマイナス評価になる可能性はあるでしょうね。。。

 

■海外にいて資格は役立つのか

それこそ、現地で仕事をする上では、その国の資格でないので意味はありません。

ただし施主は日本人であったりするので、その際は一つの指標となるでしょう。

また、施主が外国の方であっても、日本のArchitectだというのがわかるため、

最低限欲しい資格ではあります。

ほんとうに最低限の資格=一級建築士です。

 

■まとめ

とりあえず黙って、何も考えず、資格取りなさいという話です。

 

資格あるから仕事できる、ないからできないと判断されることが嫌だと言うなら、

はじめから黙って資格取りなさいよ。

持っていてできないなら仕方ないです。笑

資格持っていなくて、取らない理由を並べられても、

 

「へぇー」

 

としかこちらは言葉を返せません。

 

本人が良いならもちろん問題ありません。

必要ない場合だってあるのはわかります。

ただ、円滑に、それでいて自分のため、いい建築をつくるため、そして施主のためにも

資格を取っておいて損はないと思いますよ。

 

今日はここまで。

Misakiでした。

 

メリークリスマス。