建築現場監督のススメ

ゼネコン建築現場監督が日々の思うところを書き連ねていきます。

成績と学歴と年収と。これらはすべて環境依存。

こんにちは、misakiです。

たびたび話題になる年収とこどもの成績のはなし。

 

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つまり

年収が低いと成績が悪く、

年収が高いと成績が良い。

 

また学歴が低いと成績が悪く、

学歴が高いと成績が良い。

 

度々言われていることだが、

これはかなり私の実感と当てはまる

 

■私の出身地域の環境

私自身は途方も無い田舎の出身であり、

小学校中学校は1クラスのみ、歩いて通える高校なんて無いという環境で育った。

コンビニも無い地域といったほうが良いだろうか。

そのため、周りに専門学校や大学生などいるわけもなく、

彼らが学校でどんなことをしているのかそんなことを知るわけもなかった。

(私が初めて見た大学生は兄である)

 

そして周りを見渡せば大学を卒業して働いている親世代なんてのはほとんどいなくて、

第一次産業や家業に従事している人が多数を占めていた。

 

そのため、私達の同級生は勉強などするわけもない。

勉強が必要だという情報すらないのだ。

 

まわりに私立中学はないから中学受験は誰もしなかった。

中学生になると高校受験のために塾に通い出す人も多いと思うが、

そもそも通える塾がない。

塾に通うには車での親の送り迎えが必要なのだ。

 

そんな環境である。

県内の学力テストでも最低点を叩き出す地区として有名であった。

そこで自分を律して、己から進んで勉強する人間など、いるはずがなかった。

 

 

■同級生たちの進路

そのせいか、周りの同級生たちの進路はどうなっただろうか。

 

中卒・高校中退 5/30

高卒 10/30

専門卒 10/30

大卒 以上 5/30

 

正確には知らないが、ほぼこんなイメージだと思う。

別にこれが不幸だとか言うわけではない。

ただ環境次第でこうなるのだという、ある地方の事実である。

 

これでも私の同級生たちは結構大学に進学したなーというのが

親たちからの私達世代のイメージ。

私より、5つくらい上の世代はもっと大学へ行く人数が少なかったと聞いていた。

 

※当時は一家に一台パソコンがあるという時代でもなかったし、

携帯電話も完全には普及していなかった。

もちろんインターネットが家でできるという人なんて限られていた。

 

 

■なぜ勉強をし、進学できたのか

私の場合は兄弟の影響が大きい。

勉強をしなさい!と強く親に言われたという経験は少ないと思うが、

それでも勉強していた兄弟の姿を見ていたので、当たり前に勉強はしていた。

 

そして塾などにも通わせてもらえたし、

勉強をする環境が当たり前に整えられていたため、私は素直に勉強をした。

 

あとは一生ここで暮らしたいとは思えなかったのが一番の要因かもしれない。

テレビでみる都会への憧れが単純にあったし、

こんな田舎大嫌いだ!といったこども地味た思いが私を突き動かした。

親が苦手だったため、早く親元を離れて生活をしたかったし、

周りの友人たちとの感覚も少しずつずれていったように思える。

そのためにある程度勉強し、高校、大学へと進学した。

 

同級生で大学へ進んだ彼らも同様に塾へ通っていた。

親の協力がない限り、あの環境から大学進学を目指すのはかなり難しいと思う。

 

もちろんそこには当たり前に金の話がついてまわる。

大学進学にはお金がかかるし、

はっきりいって国立大学などへ進学できるほど、皆一様に勉強ができないため、

年間100万以上の学費+一人暮らしの費用などを捻出できる家庭で無い限り、

大学進学へのチャンスは訪れない。

皆知っている通り、大学もピンきりなのだ。

大学に入ったから幸せでも、成功でもなんでもないということだけは述べておく。

 

同級生の中にはもっと勉強したい、都会に出たいという人もいたかもしれない。

でも彼らにチャンスは与えられなかったのだ。

家の都合、家庭の環境がほとんどである。

進学を諦めたやつもいた。

 

高校を卒業して、都会に出たくてもまともな仕事は少ない。

自分で選べる器量もない。

真面目に地方公務員になったやつもいるが、

東京にでて水商売をし、借金を背負って帰ってくるなど

よく聞く話であった。

 

大学に関しては調べれば奨学金だってある。

勉強ができれば学費免除だってある。

 

そんな今皆が知っているような情報は、

当時の私たち・彼らには届かなかった。

気づけなかった。

 

 

■まずは土俵にあがること

勉強するための環境があること、それに気がつけること。

そして本来の自分の可能性に蓋をしないこと。

これらはすべて環境によって潰されてしまう可能性が高い。

 

ほんの一握りの人が異端となって自ら突き進むかもしれないが、

私のような凡人には難しかった。

ある程度強制された環境があったからこそ進学できたし、

今好きなことをできていると思う。

ここに関しては親への感謝は計り知れない。

 

それをもってしか、あそこから抜け出せなかったと思う。

※抜け出すと書いたが、抜け出したかったのは私だけかもしれない笑

 

自分の探究心で、塾にも通わずーーーといった化け物がいることも知っている。

私の友人にも数名いたが、総じて彼らの親の年収は高かった。

 

遺伝子レベルの頭の良さ云々に関しては、

環境から脱却してからようやく出る話なのかなぁと思ったりもするが、

自分ひとりで頑張れる人など、一部なのではないだろうか。

 

凡人たちにとっては環境がすべて、そう思える。